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命に値段がつく日―所得格差医療 (中公新書ラクレ)

色平 哲郎/山岡 淳一郎
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命に値段がつく日―所得格差医療 (中公新書ラクレ)の詳細
  • おすすめ度:まだ評価されていません。
  • 出版社:中央公論新社
命に値段がつく日―所得格差医療 (中公新書ラクレ)のカスタマーレビュー

「医療問題の解決の道標となりうるか」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2007-05-30

一読すると「そこはかとなく」コミュニスティックな文脈がにおってくるので著者のプロフィールをネットで検索しましたが、どうも私の誤解のようでした。
医療と市場原理はやはり、水と油なのでしょう。医療を市場化すれば「公平性」にきしみが生じます。
公平な医療を語ろうとすれば、本書のようになるのでしょう。
ただ、医療そのものが公平であっても、それを取り巻く業界(医薬品、医療機器、関連産業などなど)は規制はあるものの殆ど自由市場と言っても良い状態です。
あらゆる意味での自由市場に取り囲まれた医療現場で公平性を堅持しようとすれば医療従事者に軋轢(あつれき)が生じるのは当然のことです。
一体それをどう解決したらよいのでしょうか?
本書にもその明確な解答は記されていませんが、そのヒントとなる事はちりばめられているようです。あくまで解決策を模索する姿勢に爽やかさを感じました。

「医療制度に興味があったら読んでもよい本。」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2006-09-07

医療、特に社会保障としての医療を考えるとき、どの程度までの医療内容を、どの程度まで公的費用でまかなうのかの二つの点が重要である。

日本の今後を考えると、日本がこれからどういう公的医療制度を構築していくのかは、日本が安心して住める国になるかどうかの、重要なポイントの一つである。

現在、多くの人が医療に興味を持っている。国民的に関心の高いテーマのひとつであろう。医療に興味を持ったら、本書を読んで問題意識を高めるのも悪い選択ではないだろう。しかし、それで終わってはいけない。これまでの多くの積み重ねられた議論を踏まえなければ、将来についての議論は出来ない。

この本で問題意識を持ったあと、もっと理解を深めるために読むべき本は沢山あることを覚えておいて欲しい。既存の医療に関する系統的な議論と比べてしまえば、本書の内容はその局面局面での「ボヤキ」くらいのものである。

「老人医療費は保健をやめて自費にしよう」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2006-07-29

老人医療費は保健をやめて自費にしよう

日本の平均寿命は男性78.5歳で世界4位、女性85.5歳で世界1位。この数字だけを見ればおめでたいのかもしれない。また、日本の医療費の4割が70歳以上に投入されている。一人当たりの年間医療費はサラリーマンの13万円弱に対し、70歳以上では82万円を超える。年寄りを1年長生きさせるのに税金を80万円もかけるのはばかげている。人の命は等しく大切だと入っても、年齢を考慮すべきなのは当たり前。未来のある子供や一家の大黒柱の健康に税金をかけるのはいいが、70過ぎの年寄りに巨額の公金を投入する必要はない。自費でやってもらえばいいのだ。G8で長生きベスト5に入っているのはイタリアが女性5位に入っているくらいだろう。

「大きな流れが見えてくる」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2006-03-28

面白かった。

特に第二章の、「混合診療と医者どろぼう」と、第三章の「健康長寿・長野モデルのなぞ」。
混合診療、自由診療の拡大が今後どのような結果をもたらすのだろうか、と言うことや、
現在の日本の医療のあり方が少し見えてきたと思った。

先進国の中では、日本の医療従事者の人数は少ないほうだと聞いたことがある。
本書によると、2000年度の人口1000人あたりの医師の数は、
イタリア4,1人、ドイツ、フランスが3,3人、アメリカ2,7人、そして日本は、
1,9人。
OECD(経済協力開発機構)の加盟国30カ国中、日本の医師数の割合は27番目。
どんなに高度な医療機器があろうとも、医療と言うのはやっぱりサービス業であるので、
それに従事する人の数というのはそのサービスの質に直結することだろうと思う。
日本の医療はその程度だということなのだろう。

それから、アメリカでは医療保険に入っていない人が約4000万人いるのだということ。
アメリカ型の医療を目指しているらしい現在の日本の医療がすすむ方向は、そういう方向なのだな。
そんな状況だからこそ、長野モデルといわれる医療のあり方は、これからも大いに研究される必要のあることなのだろう。

「刺激的だが、少し流れがわかりにくい」 おすすめ度:レビュアーのおすすめ度 投稿日:2005-07-17

医療事故と医師の偏在、混合医療と皆保険制度の危機、治療と予防・医療と保健、医療を学び教えること、最近ポイントとなっている事柄が2人の著者によって書かれている。個々はおもしろいが、全体の流れはわかりにくい。それぞれの項のつながりがよく分からず、はね回っているような気がした。もちろん、安全で健康を守ることができる医療を目指すという意味ではつながっているんだろうが。
むしろ、まん中の2つと、両端の項をまとめて1つずつ本にしたらよかったと思える。
あと、最初の対談の中に見えた医療者側と受け手側との認識の違いをもっと意識した内容にしたらより興味を持って読むことができたと思った。
個々の事例やエピソードが興味深いだけに惜しいと思えた。